NPOの資金調達 手軽な方法からプロフェッショナルな戦略まで

NPOの資金調達

非営利組織(NPO)の活動は、社会にとって欠かせない価値を提供していますが、その継続的な運営には資金が不可欠です。
本記事では、手軽に始められる資金調達の方法から、より専門的な戦略まで、NPOが取り組むことができる多様な資金調達の手段を概略の説明と具体的な事例、参考URLと共に紹介します。
持続可能な社会づくりに貢献するための一歩として、効果的な資金調達方法を探求しましょう。

寄附関連の資金調達

寄附金の募集はNPOの基本で、直接的な支援を求める方法です。
一方で、遺贈寄附は将来的な計画を含めた支援で、遺言によって資産の一部をNPOに残すことを意味します。
これらは直接的な資金源として、NPOに長期的な安定をもたらす可能性があります。

寄附金の募集

最初は、やはりベーシックな方法から紹介したいです。
「お金を寄附してください」という、いたってシンプルな「お願い」からスタートすること。これができるかどうかが、大きな違いを生み出すことにつながると思います。
寄附金の募集は、手軽に始められる資金調達の王道です。
よく見かける街角や地域社会のイベントでの募金活動をする以外にも、オンラインで寄附を募ることができます。
街角で、イベントで、オンラインキャンペーンで、あらゆる場所で声を大にして、私たちの活動を伝えて、活動内容に共感してもらい、支援をお願いをする。
このシンプルな形こそが、NPOが成り立つための土台、ベーシックな方法といえると思います。

遺贈寄附(レガシーギフト)

人の命は有限ですが、後の世に「影響を残すこと」はできます。「レガシーギフト」(遺贈寄附)とは、その究極の形。遺言によって、財産の一部をNPOに遺贈する方法です。

遺贈寄附をしてくれる人がいれば、NPOはその資金を基に、長期的なプロジェクトを支えることができるようになります。
これは、資金調達の中でも特に時間をかけて信頼関係を築く必要がありますが、一度、制度を取り入れてみると、将来的に安定した資金源になり得ます。
遺贈寄附を活用して、社会に長期的な影響を与えているNPOの事例もたくさんありますので、別記事でご紹介します。

マッチングギフト

寄附の一形態ということでまとめて紹介しますが、企業が従業員の寄附に対して、同額を寄附するという制度が「マッチングギフト」です。これは、まるで資金調達にダブルチャンスをもたらす魔法のような制度ということができます。

例えば従業員が1,000円を寄附したら、企業も1,000円をプラスして寄附してくれる。つまり、寄附が倍増するということになります。

これをやることで、従業員のモチベーションも上がるし、企業の社会貢献度もアップします。NPOにとっても、資金集めがより効果的に可能になるという素晴らしいシステムです。

クラウドファンディング

みんなで力を合わせて大きな夢を実現しましょう。こちらは、ここ数年流行りの言葉でもあり、多くの成功例があるおなじみの「クラファン」です。

クラウドファンディングとは、インターネットを使って、たくさんの人に小さな支援をお願いする方法です。

これは、新しいアイディアやプロジェクトに「生命を吹き込みたい」そんな時にピッタリの方法です。

支援者にリターンを用意して、感謝の気持ちを示しながら、目標金額に到達するためのキャンペーンを繰り広げる、お祭り的な盛り上がりも特徴的です。

イベントの開催

コンサートにしろ、バザーにしろ、チャリティーマラソンにしろ、イベントは人々を惹きつける魅力があります。

何かのイベントの片隅でする「寄附活動」ではなく、イベントそのものを開催してしまおう、という趣旨で寄附の一つとして入れてみました。

これを資金調達に活かさない手はありません。

楽しいイベントを開催して、参加してくれた人たちから参加費や寄附を集めるわけです。例えば、手作りのものを販売する小規模なバザーや、他のNPOと合同で地域の伝統の食事を提供するイベント、など、アイディア次第といえるでしょう。

お祭り騒ぎの中で、社会貢献もでき、活動費用を得るなんて、一石二鳥ですよね。

販売・市場関連の資金調達

リアル、対面での商品販売や、オンラインマーケットプレイスでの商品販売、NPO固有のグッズや関連商品を通じて資金を集める手法です。

購入金額の一部が自動的にNPOに寄附されるシステムなども利用できます。この戦略は、寄附付き商品の開発と相まって、消費者の購入を通じて資金を集めることができます。

商品の開発、対面での販売

オリジナルのTシャツやマグカップを作ったり、手作りのアクセサリーなど、商品を売ることで資金を集るという方法も存在します。

これは、NPOのメッセージを広めながら、収入を得る方法として、とても有効です。

ファンになってくれた人たちが商品を購入することで、私たちの活動を間接的に支援してくれるということです。

オンラインでの販売

まずは、それらの商品をAmazonなどのオンラインの巨大市場を利用して販売する方法があります。

そのほかに、販売金額の数パーセントを寄附するというマーケットプレイスも存在します(Amazon smile は終了しました)。

売り上げの一部を寄附にまわしてくれるという自販機などもあります。

寄附付き商品の開発

商品を販売した時に、その売り上げの一部をNPOに寄附するのが「寄附付き商品」のアイデアです。違いは、オンラインマーケットプレイスは「場所」による寄附なのに対し、寄附付き商品の場合は「モノ」に寄附が含まれているという点です。

例えば、「チョコレート食品製造」の会社が、「チョコレートのお菓子A」を1個販売するごとに、チョコレートの産地の子どもに対し「1円を寄附」するといったケースです。

これは、チョコレートをAmazonで買おうが、近所のスーパーマーケットで買おうが、1円が寄附されるということになります。

消費者にとっても、良いことをしながらお気に入りの商品を買えるという、素晴らしいメリットがあります。

NPOにとっても、新しい商品やサービスを通じて、継続的な収入源になります。

補助金・助成金

補助金や助成金を申請して獲得する方法があります。国や自治体が行っているもののほか、各種団体や企業が行っているものもあります。

政府や自治体、外郭団体の補助金

国や地方体の力を借りるのも、大切な資金調達方法の一つです。

政府補助金というのは、公共の利益に貢献するプロジェクトに対して政府が支援してくれるお金のことです。

補助金は条件が厳しいこともありますが、獲得できればプロジェクトの質と規模を一気にアップさせることができます。

補助金の申請にはしっかりとした提案書が必要になりますし、報告や会計の透明性なども求められますが、それに見合うだけの大きなサポートを受けられる可能性があります。

成功した事例を調べてみると、補助金をうまく活用しているNPOはかなり多くあり、過去の事例も公表されていることが多いので、そこから学ぶことができます。

政府や自治体、各種団体の補助金

国や地方自治体の力を借りるのも、大切な資金調達方法の一つです。

政府補助金というのは、公共の利益に貢献するプロジェクトに対して政府が支援するお金のこと。

これは条件が厳しいこともあるけれど、獲得できればプロジェクトの質と規模を一気にアップさせることができます。

申請にはしっかりとした提案書が必要だし、報告や会計の透明性も求められるけれど、それに見合うだけの大きなサポートを受けられる可能性があります。

成功した事例を調べてみると、政府補助金をうまく活用しているNPOはたくさんあって、そこから学ぶことができますよ。

グラント(助成金)の申請

助成金って、NPOにとって夢のようなサポートといえます。言ってみれば「プレゼントされるお金」というと言い過ぎかもしれませんが。

政府や財団からの助成金をもらうためには、申請書を書いて、自分たちのプロジェクトがどれだけ社会に貢献するかをアピールするんです。

これがうまくいけば、特定プロジェクトやプログラムのためのかなりの金額を得ることができます。

ただ、競争も激しいので、申請書の作成は説得力を持って書く必要があります。

助成金のライティングサービス

これは、NPOが他のNPOや団体向けに、助成金の申請書を書くサービスを提供するという方法です。

ライティングのプロが、しっかりとした提案書を書いて、成功率を上げる。

で、そのライティングサービスで得た収入を、自分たちの活動資金にするという方法です。

投資・運用関連の資金調達

資産運用

これは、寄附されたお金を、株式や債券、不動産などに投資して、運用益を生み出すことです。

リスクはゼロではありませんが、うまくいけば、安定した資金源になる可能性があります。ただ、これは運用に知識が必要なので、プロの助けを借りたりすることもあります。次に紹介する「エンダウンメントファンド」は、やること自体は似ていますが、「ファンドを設立する」という点が違います。

エンダウメントファンドの設立

エンダウメントファンドの設立は、長期的に安定した資金を確保したいNPOにはピッタリの方法です。

これは、大きな寄付や資金を元手に、投資して得られる収益を活動資金として使うというもの。

一度設立すると、その運用収益でずっとプロジェクトを支えることができます。大学などの教育機関がよく使う手法で、持続可能な活動のための堅実な資金調達手法です。

教育・サービス提供関連の資金調達

教育プログラムやワークショップの提供

知識を共有することでお金を集める、それが教育プログラムやワークショップの提供です。

例えば、環境保護や健康生活についてのセミナーを開くとか。

参加者から受け取る参加費で資金を作りますが、これがまた、コミュニティに役立つ情報を発信、提供しながら、資金も集めることができるという一石二鳥の方法なのです。

教育って、素晴らしいですね。

オンラインセミナーやウェビナーの開催

その教育プログラムやワークショップを、インターネットでどこでもいつでも可能にする方法があります。

インターネットと、スマホなどのデバイスの普及が進んでいる現在、「オンラインセミナー」や「ウェビナー」を開催することで、世界中どこからでも参加者を集めることができます。

専門的な知識を共有することで参加費を得られるし、NPOの活動を広く知ってもらう機会にもなる。ここはオフラインでも同じですが、世界中からリモート会議で、いつでも出来る、ということです。

メンバーシッププログラム

応援してくれる人たちを「メンバー」として特別に扱い、継続的な支援を得る方法がメンバーシッププログラムです。

毎月の小額の会費を払ってもらうことで、安定した収入源になりますし、メンバーには特典を提供して、もっと組織に関わってもらうんです。

これは、ファンを育て、長期的な関係を築く素晴らしい方法ですよ。

その他の資金調達

企業とのパートナーシップ

企業と一緒になって大きな力を発揮する、それがパートナーシップです。

企業が社会に貢献したいと考えている今の時代、NPOと手を組むことは彼らにとってもメリットがあります。

例えば、スポンサーになってもらったり、企業のCSR活動の一環としてプロジェクトをサポートしてもらうんです。

企業の名前がNPOの活動に連携されることで、企業の社会的なイメージが向上したり、NPOは必要な資金を得ることができる。そういうwin-winの関係を作るわけです。

企業とのパートナーシップで成し遂げたプロジェクトの成功例ってたくさんあるから、ぜひそういうストーリーを見つけてみてください。

技術提供サービス

NPOが持ってる特技や専門知識を生かして、他の団体や企業にサービスを提供するんです。

これでお金を稼ぐわけですけど、ただのビジネスじゃない。NPOとしてのミッションに合致するサービス提供で、その収入をまた社会貢献に回せるわけですから、一石二鳥なんですよ。

コミュニティ基金

地域コミュニティが、小さな寄附を集めて一つの基金を作るんです。

この基金から、地域の様々なプロジェクトやイベントに資金を提供する。で、その基金は、地域の人たちが直接関わることで、NPOへの継続的なサポートにつながるんですよ。

 

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